発達障害の初診日証明はどうする?受給できる金額と申請の重要ポイント

発達障害を理由に障害年金の申請を考えたとき、多くの方が最初につまずくのが初診日の証明です。また、実際に自分がいくらくらいの年金を受け取れるのかという点も、これからの生活設計を立てる上で非常に気になる部分ではないでしょうか。発達障害は生まれつきの特性ですが、障害年金を請求するためには、客観的な書類によって初診日を特定・証明する必要があります。そして、その初診日にどの年金制度に加入していたかによって、受け取れる年金の種類や将来の受給金額が大きく変わってきます。この記事では、発達障害における初診日証明の進め方と、等級ごとに受け取れる具体的な金額の目安について詳しく解説します。

発達障害の障害年金申請で鍵となる初診日証明とは

障害年金の手続きにおいて初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医療機関を受診した日のことを指します 。発達障害の場合、生まれつき脳の機能に特性があるものの、医学的に初めて受診した日が基準となるため、初診日の考え方には少し注意が必要です。

基本的には、生きづらさや不適応の症状について、初めて精神科や心療内科、小児科などの医療機関を受診した日が初診日として扱われます。障害年金を受け取るためには、この初診日に年金保険料を一定以上納めていたかという保険料納付要件を満たしている必要があり、さらに初診日を証明する書類を日本年金機構へ提出しなければなりません。初診日がいつであるかが明確になって初めて、その後のすべての審査が進められます

カルテがない場合の初診日の証明方法

発達障害の方は、子供の頃に一度受診したきり長年病院に行っていなかったり、大人になってから初めて専門医を受診したりするケースが多いため、最初の医療機関のカルテがすでに破棄されていることが珍しくありません。医療法によるカルテの保存期間は5年と定められているため、10年前や20年前の受診記録を遡ることが困難な場合があります。

もし最初の病院で受診状況等証明書が取得できない場合は、2番目以降に通った医療機関の記録を調べたり、当時の診察券、健康保険の給付記録、母子手帳、お薬手帳などの客観的な証拠を集めたりして初診日を証明していくことになります。また、当時の状況を知る第三者からの申立書を添えて提出する方法もあります。

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初診日の加入制度で変わる受給可能な金額

障害年金には、障害基礎年金と障害厚生年金の2種類が存在します 。初診日に自営業、学生、無職、主婦(夫)などであって国民年金に加入していた場合、あるいは20歳前であった場合は障害基礎年金の対象となります 。一方で、初診日に会社員や公務員などとして厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金の対象となります

障害基礎年金の受給金額(2026年4月1日時点の基準)

障害基礎年金は、年金の加入期間に関わらず、等級に応じて国から定額が支給されます 。障害の状態により1級と2級に分かれており、1級の支給額は2級の1.25倍です

  • 1級:年間 1,059,125 円

  • 2級:年間 847,300 円

また、受給者に生計を維持されている子がいる場合には、上記の基本額に以下の加算額が上乗せされます

  • 1人目の子・2人目の子:1人につき年間 243,800 円

  • 3人目以降の子:1人につき年間 81,300 円

なお、対象となる子とは、18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子、または20歳未満で障害等級1級もしくは2級の状態にある子に限られます

障害厚生年金の受給金額(2026年4月1日時点の基準)

障害厚生年金の額は、厚生年金に加入していた期間の長さや、その期間中の報酬(給与や賞与)の額によって個別に計算される報酬比例の年金額がベースとなります 。障害厚生年金は1級から3級まで幅広くカバーされており、1級と2級に認定された場合は、障害厚生年金に加えて障害基礎年金も合わせて受け取ることができます

各等級の支給内容は以下の通りです。

  • 1級:障害基礎年金1級の額(年間 1,059,125 円 + 子の加算額) + 報酬比例の年金額の1.25倍 + 配偶者加算額(64歳以下の配偶者がいる場合、年間 243,800 円)

  • 2級:障害基礎年金2級の額(年間 847,300 円 + 子の加算額) + 報酬比例の年金額 + 配偶者加算額(64歳以下の配偶者がいる場合、年間 243,800 円)

  • 3級:報酬比例の年金額のみが支給されます。3級には障害基礎年金が支給されないため、金額が低くなりすぎないよう年間 635,500 円の最低保障額が設けられています

また、1級から3級の障害年金に該当しない場合であっても、一定の障害状態にあると認められた場合には、独自の制度として障害手当金という一時金が支給される仕組みがあります 。障害手当金の額は報酬比例の年金額の2年分で、最低保証額として 1,271,000 円が設定されています

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発達障害の初診日と受給金額に関するよくあるご質問

Q. 子供の頃に病院へ行った記録が全くないのですが、その場合の初診日はいつになりますか?

A. 子供の頃に受診歴がない場合は、大人になってから社会生活の中で生きづらさを感じ、初めて精神科や心療内科、精神保健福祉センターなどの専門機関を受診した日が初診日となります。この場合、受診した当時に会社員として厚生年金に加入していれば、障害厚生年金の対象として請求を進めることが可能になります。

Q. 障害年金をもらうと、将来もらえる老後の年金が減らされてしまうのでしょうか?

A. 障害年金を受給しても、将来受け取る老齢年金の金額が減額されることはありませんのでご安心ください。また、障害年金は非課税であるため、老齢年金のように所得税や住民税が源泉控除されることもなく、支給された金額をそのまま生活費や治療費に充てることができます

Q. 現在、障害者雇用枠で働いているのですが、障害厚生年金の支給金額は下がりますか?

A. 働きながらであっても、障害年金の支給金額が就労の事実だけで一律に下げられるわけではありません。特に障害者雇用枠や就労継続支援などの福祉的就労においては、職場から受けている特別な配慮や制限の内容が重視されます。仕事の内容やサポートの実態を診断書や申立書に正しく反映させることが重要です。

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確実な初診日証明と適切な金額受給のために

発達障害における障害年金の請求は、初診日の証明をどのように行うかと、当時の加入制度がどちらであったかによって、将来的に受け取れる年金の種類や金額が大きく決定づけられます 。しかし、過去の医療機関がすでに廃院になっていたりカルテが残っていなかったりすると、ご本人やご家族だけで客観的な証拠を揃えるのは非常に困難であり、多大な労力がかかります。

障害年金は、正しく手続きを行えば非課税の安定した収入として毎日の生活を支えてくれる大切な権利です 。最初の手続きで誤った初診日を主張して不支給になってしまうような不利益を避けるためにも、申請手続きに少しでも不安がある場合は、専門知識を持った社会保険労務士などの専門家へ一度相談されることを強くお勧めします。当事務所では、初診日の綿密な調査から複雑な書類作成までトータルでサポートしておりますので、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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