働きながら障害年金はもらえる?受給の可否を左右するポイントを社労士が解説
目次

病気やケガを抱えながらも、
- 「生活のために働かなければならない」
- 「少しでも社会とのつながりを持っていたい」
- 「本当はつらいけれど、無理をして働いている」
という方は少なくありません。
その一方で、
- 「働いていると障害年金はもらえない?」
- 「パート勤務なら対象?」
- 「障害者雇用なら受給しやすい?」
- 「収入があると不支給になる?」
など、不安や疑問から申請をためらってしまうケースもあります。
しかし実際には、
「働いている=障害年金は受給できない」
というわけではありません。
障害年金では、単純に「働いているかどうか」ではなく、
- どのような仕事内容か
- どの程度の配慮を受けているか
- 安定して働けているか
- 日常生活へどの程度支障があるか
などを総合的に判断します。
この記事では、障害年金申請を専門とする社会保険労務士が、働きながら障害年金を受給するための条件、就労状況が審査へ与える影響、申請時の重要ポイントについて、わかりやすく解説します。
この記事でわかること
✅ 働きながら障害年金を受給できるケース
✅ 就労状況が審査へどう影響するか
✅ 精神疾患・内部障害・肢体障害ごとの違い
✅ 障害者雇用や短時間勤務の評価ポイント
✅ フルタイム勤務でも受給できるケース
✅ 診断書・病歴申立書で重要な点
✅ 更新時に注意すべきポイント
✅ 社労士へ依頼するメリット
この記事はこんな方におすすめです
- 病気や障害を抱えながら働いている方
- 障害年金を申請したいが就労中の方
- 障害者雇用で勤務している方
- 短時間勤務や配慮を受けながら働いている方
- 働きながら障害年金を受給できるか不安な方
- 更新で支給停止にならないか心配な方
働きながらでも障害年金は受給できる?
結論から言うと、働きながらでも障害年金を受給できる可能性があります。
障害年金は、
「働いているかどうか」
だけで判断される制度ではありません。
重要なのは、
- 障害によってどの程度制限があるか
- どのような支援や配慮が必要か
- 無理をして就労していないか
です。
そのため、
- 障害者雇用
- 短時間勤務
- 周囲のサポート前提の就労
- 頻繁な欠勤や休職
- 就労継続支援A型・B型
などの場合は、働いていても受給できるケースがあります。
障害年金とは?働いていても対象になる公的制度
障害年金とは、病気やケガによって一定以上の障害状態になった場合に支給される公的年金制度です。
障害によって、
- 日常生活
- 就労
- 社会生活
へ支障がある方の生活を支える制度として設けられています。
障害基礎年金
初診日に国民年金へ加入していた方が対象です。
障害等級は、
- 1級
- 2級
があります。
障害厚生年金
初診日に厚生年金へ加入していた会社員・公務員などが対象です。
障害等級は、
- 1級
- 2級
- 3級
があります。
働きながら受給している方は、障害厚生年金3級に該当するケースも多くあります。
働きながら障害年金を受給するための3つの条件
働きながら障害年金を受給する場合でも、基本的な受給条件は通常の障害年金と同じです。
1. 初診日要件|最初に医療機関を受診した日
「初診日」とは、障害の原因となった病気やケガで、初めて医療機関を受診した日のことです。
この初診日に、
- 国民年金加入中だったか
- 厚生年金加入中だったか
によって、受給できる年金の種類が決まります。
初診日の証明は非常に重要
障害年金申請では、初診日の証明が重要になります。
主に、
- 受診状況等証明書
- カルテ
- 診察券
- お薬手帳
などをもとに確認します。
2. 保険料納付要件|年金保険料を納めていること
原則として、初診日の前々月までに、
- 保険料納付済期間
- 免除期間
- 学生納付特例期間
などを含めて、加入期間の3分の2以上ある必要があります。
また特例として、
令和8年3月31日以前に初診日がある場合は、直近1年間に未納がなければ認められる場合があります。
3. 障害状態要件|障害等級に該当すること
働きながら障害年金を受給する場合、最も重要なのが「障害状態要件」です。
審査では、
- 就労能力
- 日常生活能力
- 社会適応能力
などが総合的に判断されます。
働きながらの障害年金で重視されるポイント
「働いている=障害が軽い」とは限らない
障害年金では、単に働いている事実だけで判断されません。
例えば、
- 強い職場配慮が必要
- 周囲のサポートが不可欠
- 短時間勤務しかできない
- 無理をして働いている
などの場合は、障害が重いと判断される可能性があります。
仕事内容
審査では、
- 単純作業か
- 責任の重い業務か
- 判断力が必要か
- 業務軽減されているか
などが確認されます。
勤務時間・勤務日数
例えば、
- 短時間勤務
- 週数日のみ
- 頻繁な休職
- 欠勤が多い
などは、就労制限の事情として評価される可能性があります。
職場配慮の有無
以下のような配慮は重要な審査ポイントです。
- 業務量調整
- 通院配慮
- 休憩確保
- 対人業務回避
- 支援員配置
- 障害者雇用
など。
就労の安定性
障害年金では、
「安定して働けているか」
も重要視されます。
例えば、
- 転職を繰り返している
- 休職歴が多い
- 長期間継続できない
などは、障害による就労困難として評価されることがあります。
障害別|働きながらの障害年金の評価傾向
精神疾患の場合
精神疾患では、
- うつ病
- 双極性障害
- 統合失調症
- 発達障害
などで就労している場合、「働けている」と判断されやすい傾向があります。
そのため、
- 職場配慮
- 支援状況
- 就労困難
- 欠勤
- 対人トラブル
などを具体的に伝えることが重要です。
内部障害の場合
内部障害では、
- 人工透析
- がん
- 心疾患
- 呼吸器疾患
など、治療状況や検査数値も重視されます。
就労していても、治療継続による負担や生活制限が評価されるケースがあります。
肢体障害の場合
肢体障害では、
- 麻痺
- 関節可動域
- 筋力低下
- ADL制限
などが比較的客観的に評価されやすい特徴があります。
障害等級と就労の関係
3級(障害厚生年金のみ)
「労働に著しい制限がある状態」です。
働きながら受給している方に比較的多い等級です。
2級
原則として「労働による収入を得ることが困難な状態」です。
ただし、
- 強い配慮
- ごく軽作業
- 短時間勤務
などの場合は、就労しながら2級となるケースもあります。
1級
日常生活全般で常時援助が必要な状態です。
基本的に就労は極めて困難とされます。
働きながら障害年金を申請する際の注意点
診断書へ就労実態を正確に反映すること
診断書には、
- 業務内容
- 勤務時間
- 配慮状況
- 欠勤状況
- 就労困難
などを正確に反映することが重要です。
病歴・就労状況等申立書が非常に重要
申立書では、
- なぜ働けているのか
- どのような支援が必要か
- どのような困難があるか
を具体的に記載する必要があります。
「働いているから無理」と自己判断しない
実際には、
- フルタイム
- 正社員
- 一般雇用
でも、受給できるケースがあります。
自己判断で諦めず、専門家へ相談することが大切です。
障害年金を受給しながら働く場合の注意点
更新時に就労状況が確認される
障害年金には更新があります。
更新時には、
- 就労状況
- 症状変化
- 日常生活状況
などが再審査されます。
症状悪化時は額改定請求も可能
症状が悪化した場合は、上位等級への変更を求める「額改定請求」が可能です。
就労状況が変化した場合は注意
例えば、
- フルタイム化
- 配慮が不要になった
- 安定就労できるようになった
などの場合、更新審査へ影響する可能性があります。
社労士に依頼するメリット
働きながらの障害年金申請では、
- 「働けている理由」
- 「実際の困難さ」
を適切に伝えることが非常に重要です。
社会保険労務士へ依頼することで、以下のメリットがあります。
就労状況を整理して伝えやすくなる
仕事内容や配慮状況を、審査側へ適切に伝える形へ整理できます。
診断書依頼時のサポートを受けられる
医師へ何を伝えるべきか整理しやすくなります。
書類作成や役所対応の負担を減らせる
体調への負担を軽減しながら申請を進めやすくなります。
働きながらの障害年金に関するよくある質問
Q1. 正社員・フルタイム勤務でも障害年金は受給できますか?
A. はい、可能性があります。
重要なのは、
- 業務内容
- 配慮状況
- 就労困難の程度
です。
例えば、周囲の強いサポートや業務軽減が前提になっている場合は、受給できるケースがあります。
Q2. 収入が高いと障害年金は止まりますか?
A. 原則として、収入だけで障害年金が停止されるわけではありません。
ただし、
- 安定就労
- 高収入
- 配慮不要
などの場合は、障害状態が軽いと判断されやすくなります。
※20歳前傷病による障害基礎年金には所得制限があります。
Q3. 障害者雇用は有利になりますか?
A. 一定の事情として考慮されます。
障害者雇用は、
「配慮が必要な状態」
を示す事情のひとつになります。
ただし、それだけで認定されるわけではなく、実際の就労状況が重視されます。
Q4. 障害年金を受給していることを会社に知られますか?
A. 原則として、日本年金機構から会社へ通知されることはありません。
ご本人が伝えない限り、会社へ知られることは通常ありません。
Q5. 障害年金を受給しながら働くと減額されますか?
A. 原則として、働いたことだけで減額される制度ではありません。
ただし、更新時の審査で、
- 症状改善
- 安定就労
などが認められると、等級変更や支給停止になる可能性があります。
まとめ|「働いているから無理」と諦めないでください
病気や障害を抱えながら働くことは、決して簡単なことではありません。
周囲に見えない努力や負担を抱えながら、無理をして働いている方も多くいらっしゃいます。
障害年金は、そのような方の生活や治療を支える大切な制度です。
「働いているから対象外だと思っていた」
「正社員だから無理だと思っていた」
という方でも、受給できるケースはあります。
まずは一度、障害年金専門の社会保険労務士へご相談ください。
【神戸・尼崎・西宮 障害年金申請サポート】では、働きながら障害年金を検討されている方の状況を丁寧にヒアリングし、お一人おひとりに合わせた申請サポートを行っております。
まずはお気軽にご相談ください。

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