うつ病での障害年金の遡及請求について|最大5年分を受給
目次
うつ病の症状に長年苦しみながらも、障害年金の制度を知らずに今日まで過ごしてこられた方は少なくありません。もし、過去にさかのぼって年金を受け取ることができれば、これからの療養生活における大きな安心材料になります。
うつ病で障害年金を過去にさかのぼって請求することを遡及請求(そきゅうせいきゅう)と呼びます。一定の条件を満たせば、時効の関係で最大5年分の年金を一括で受給できる可能性があります。
この記事では、うつ病で遡及請求を行うための具体的な方法や条件、注意点について、専門の社労士が詳しく解説します。
うつ病の障害年金における遡及請求とは
通常、障害年金は申請した月の翌月分から支給が始まります。しかし、本来であればもっと早くからもらえる状態だった場合に、過去の時点(障害認定日)までさかのぼって請求することを遡及請求といいます。
障害認定日がポイントになる
遡及請求を行うためには、障害認定日の時点で障害等級(1級〜3級)に該当する程度の症状があったことを証明しなければなりません。障害認定日とは、原則として、うつ病で初めて医療機関を受診した初診日から1年6ヶ月が経過した日のことを指します 。 この障害認定日の時点で適切な治療を受けており、かつ症状が重かったことが客観的な書類で証明できれば、当時の分から年金が認められます。
受給できるのは最大で過去5年分
遡及請求が認められたとしても、実際に受け取れるのは時効の関係で、請求した時点から過去5年分が限度となります。
例えば、10年前に障害認定日があり、当時から現在までずっと症状が重かったとしても、支払われるのは直近の5年分までです。それでも、数百万円単位のまとまった金額が一括で振り込まれることになるため、生活の立て直しに非常に有効です。
💡あわせて読みたい:障害年金の遡及請求とは?過去分の受給可能性と申請ポイントを社労士が解説
遡及請求で受け取れる年金額の目安
遡及請求が認められた場合、具体的にいくら受け取れるかは、初診日に加入していた制度や世帯状況によって決まります。金額は等級ごとに定額で決まる障害基礎年金と、給与額等によって変動する障害厚生年金の2種類があります 。
障害基礎年金(2026年4月1日時点の基準)
初診日に自営業や学生、専業主婦(夫)など国民年金に加入していた場合、2級以上に該当すれば障害基礎年金が支給されます 。 2級の基本額は年間847,300円です 。もし18歳未満の子(または20歳未満で障害1・2級の子)がいる場合は、1人につき年間243,800円(3人目以降は81,300円)が加算されます 。
障害厚生年金(2026年4月1日時点の基準)
初診日に会社員や公務員として厚生年金に加入していた場合、3級から受給の可能性があります 。 2級以上の場合は、障害基礎年金に加えて報酬比例の障害厚生年金が支給されます 。また、64歳以下の配偶者がいる場合は年間243,800円が加算されます 。 3級の場合は、障害基礎年金は支給されず障害厚生年金のみとなりますが、最低保障額として年間635,500円が設定されています 。
障害年金は非課税であるため、過去5年分のまとまった金額を受け取っても、そこから所得税や住民税を差し引かれることはありません 。
うつ病で遡及請求を成功させるための必要書類
遡及請求では、現在の状態だけでなく、過去(障害認定日)の状態も証明しなければならないため、準備する書類が通常より多くなります。
2種類の診断書が必要
遡及請求を行う場合、原則として2通の診断書が必要になります。
-
障害認定日から3ヶ月以内の症状が記載された診断書
-
現在(請求日から3ヶ月以内)の症状が記載された診断書
当時の病院と現在の病院が異なる場合は、それぞれの医師に診断書を作成してもらう必要があります。
病歴・就労状況等申立書
これは、発病から現在までの経過を自分自身や家族が記入する書類です。障害認定日当時の通院状況や、仕事・私生活でどのような困りごとがあったかを具体的に記載する必要があります。診断書の内容と整合性が取れていることが極めて重要です。
💡あわせて読みたい:うつ病で障害年金はもらえる?受給の条件・申請手続の流れ・注意点を社労士が徹底解説!
うつ病の遡及請求に関するよくあるご質問
Q. 障害認定日の頃は病院に行っていなかったのですが、遡及請求できますか?
A. 非常に厳しいケースが多いです。
遡及請求には障害認定日当時の客観的な診断書が不可欠です。当時に通院実績がないと、医師も当時の症状を証明する診断書を作成することができません。その場合は、現在からの受給(事後重症請求)を目指すことになります。
Q. 当時の病院が廃業してカルテがない場合、どうすればいいですか?
A. カルテがない場合でも、当時の診断書が作成できないため遡及請求は難しくなります。
ただし、転院先の病院に当時の情報が詳しく残っていたり、お薬手帳や診察券などの客観的な証拠があったりする場合は、稀に認められる可能性もあります。まずは専門家にご相談ください。
Q. 遡及請求が認められなかった場合、現在の分ももらえなくなりますか?
A. いいえ、そうとは限りません。
遡及請求を行う際は、通常「現在の分」の請求も同時に行います。審査の結果、過去の分(遡及)は認められなくても、現在の状態が基準を満たしていれば、将来に向かって年金を受給することは可能です。
うつ病の遡及請求にお悩みの方は無料相談をご活用ください
うつ病の遡及請求は、何年も前の診断書を手配したり、当時の就労状況を正確に整理したりと、非常に高いハードルがいくつもあります。特に精神疾患の場合は、当時の医師との関係性やカルテの保存状態によって、結果が大きく左右されます。
せっかく受給できる権利があるのに、書類の不備や知識不足でチャンスを逃してしまうのは非常にもったいないことです。当事務所では、神戸・尼崎・西宮を中心に、遡及請求の複雑な手続きを全力でサポートしています。
過去にさかのぼって年金を受け取れる可能性があるか、まずは無料で判定いたします。これからの生活を守るための第一歩として、お気軽にLINEやお電話でご相談ください。

初めての方へ
