【最大5年分】障害年金の遡及請求とは?過去分の受給可能性と申請ポイントを社労士が解説

「障害年金という制度を知らなかった」
「体調が悪く、申請手続きまで手が回らなかった」
「何年も前から障害状態だったけれど、今からでも請求できる?」

このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。

障害年金には、過去にさかのぼって請求できる「遡及請求(そきゅうせいきゅう)」という制度があります。

遡及請求が認められると、最大で過去5年分の障害年金が一括支給される可能性があります。

一方で、

  • 「どんな場合に遡及できるの?」
  • 「昔のカルテが必要?」
  • 「認定日請求との違いがわからない」
  • 「事後重症との違いは?」

など、制度が複雑でわかりにくい部分も多くあります。

この記事では、障害年金申請を専門とする社会保険労務士が、障害年金の遡及請求の仕組み、認められる条件、申請時の重要ポイント、注意点について、わかりやすく解説します。

この記事でわかること

✅ 障害年金の「遡及請求」とは何か

✅ 認定日請求・事後重症請求との違い

✅ 最大で何年分さかのぼれるのか

✅ 遡及請求が認められる条件

✅ 障害認定日時点の診断書が重要な理由

✅ カルテがない場合の対応方法

✅ 遡及請求のメリット・デメリット

✅ 社労士へ依頼するメリット

この記事はこんな方におすすめです

  • 障害年金の申請が遅れてしまった方
  • 数年前から障害状態だった方
  • 今から遡って請求できるか知りたい方
  • 過去の未支給分を受け取りたい方
  • カルテや診断書が残っているか不安な方
  • 障害年金の遡及請求を検討している方

障害年金の「遡及請求」とは?

障害年金の遡及請求とは、

本来受け取れるはずだった過去の障害年金を、後からさかのぼって請求する方法

です。

例えば、

  • 障害認定日時点で障害等級に該当していた
  • しかし制度を知らず請求していなかった
  • 体調悪化で手続きできなかった

という場合、後から請求することで、過去分を受け取れる可能性があります。

障害年金の基本的な請求方法

障害年金には、主に以下3つの請求方法があります。

認定日請求(本来請求)

障害認定日時点で障害等級に該当している場合に行う、本来の請求方法です。

原則として、

障害認定日の翌月分から年金を受給

できます。

事後重症請求

障害認定日時点では等級非該当だったものの、その後症状が悪化した場合の請求方法です。

この場合、

請求した月の翌月分から

年金が支給されます。

つまり、過去へは遡れません。

遡及請求とは?

遡及請求は、

「本来は認定日から受給できたのに、請求が遅れてしまった」

場合に行う請求です。

障害認定日時点の障害状態を証明できれば、

認定日までさかのぼって受給権が認められる可能性があります。

遡及請求で何年分もらえる?

遡及請求では、

最大で過去5年分

の年金を受け取れる可能性があります。

なぜ5年までなの?

障害年金には「5年の時効」があるためです。

これは、

「年金を受け取る権利(支分権)」

に時効があるためで、5年を超えた分は受け取れません。

5年以上前でも請求自体は可能

例えば、

  • 障害認定日が10年前
  • 今から請求

という場合でも、

  • 直近5年分の遡及
  • 今後の年金受給

は可能性があります。

つまり、

5年を超えると“全部ダメ”になるわけではありません。

遡及請求が認められる3つの条件

1. 初診日要件を満たしていること

通常の障害年金と同様に、

  • 初診日が特定できる
  • 初診日に加入していた年金制度が確認できる

必要があります。

初診日とは?

障害の原因となった病気やケガで、

初めて医療機関を受診した日

です。

2. 保険料納付要件を満たしていること

初診日の前日時点で、一定の保険料納付要件を満たしている必要があります。

原則として、

  • 納付済期間
  • 免除期間
  • 学生納付特例期間

などを含めて、加入期間の3分の2以上必要です。

3. 障害認定日時点で等級に該当していたこと

これが、遡及請求最大のポイントです。

遡及請求では、

障害認定日時点ですでに障害等級に該当していたこと

を証明しなければなりません。

障害認定日とは?

原則として、

初診日から1年6ヶ月後

です。

ただし、人工透析など一部例外もあります。

遡及請求で最も重要な「認定日診断書」

遡及請求では、

障害認定日時点の診断書

が極めて重要になります。

必要になる2種類の診断書

通常、遡及請求では以下2通の診断書が必要です。

障害認定日時点の診断書

障害認定日から3ヶ月以内の症状を記載したものです。

現在時点の診断書

請求日前3ヶ月以内の状態を記載したものです。

なぜ認定日診断書が重要なの?

遡及請求では、

「当時、本当に障害等級に該当していたのか」

を審査するためです。

つまり、

“過去の障害状態”を証明する必要がある

ということです。

カルテがないと遡及請求は難しい?

結論から言うと、

かなり難しくなるケースがあります。

認定日診断書は、当時のカルテをもとに作成されるためです。

カルテの保存期間について

法律上、カルテ保存期間は原則5年です。

そのため、

  • 古いカルテが残っていない
  • 病院が廃院している

というケースもあります。

ただし諦める必要はない

例えば、

  • お薬手帳
  • 診療明細書
  • 入院記録
  • 障害者手帳資料
  • 第三者証明

などが補強資料として役立つケースもあります。

まずは専門家へ相談することが重要です。

遡及請求のメリット

最大5年分が一括支給される可能性

遡及請求最大のメリットです。

数百万円単位になるケースもあります。

今後の生活安定につながる

まとまった支給により、

  • 治療継続
  • 生活再建
  • 借金返済

などへつながるケースもあります。

遡及請求のデメリット・難しさ

当時の証明が難しい

時間が経っているほど、

  • カルテ不足
  • 記録不足

が問題になります。

手続きが複雑

通常請求よりも、

  • 書類数
  • 医療機関対応
  • 証明作業

が増えます。

必ず認められるわけではない

認定日時点の障害状態を証明できなければ、

  • 遡及部分のみ不支給
  • 事後重症のみ認定

となるケースもあります。

遡及請求の流れ

1. 初診日・認定日の確認

まずは制度上の基準日を整理します。

2. カルテ・診断書の確認

認定日時点の診断書作成が可能か確認します。

3. 現在の診断書作成依頼

現在の主治医へ依頼します。

4. 病歴・就労状況等申立書の作成

認定日頃の生活状況を具体的に整理します。

5. 必要書類を提出

年金事務所へ提出します。

6. 審査・結果通知

一般的に数ヶ月程度かかります。

遡及請求を成功させるポイント

早めにカルテ確認を行う

時間が経つほど、カルテ消失リスクが高まります。

病歴・就労状況等申立書を丁寧に作成する

認定日頃の、

  • 日常生活
  • 就労状況
  • 困難さ

を具体的に記載することが重要です。

医師へ状況を丁寧に説明する

認定日診断書では、

「当時どの程度の状態だったか」

を医師へ適切に伝える必要があります。

社労士に遡及請求を依頼するメリット

遡及請求は、通常の障害年金申請より難易度が高いケースも多くあります。

遡及可能性を適切に判断できる

初診日・認定日・カルテ状況などを整理し、受給可能性を判断できます。

医療機関とのやり取りをサポートしてもらえる

診断書依頼や資料収集を進めやすくなります。

書類作成負担を軽減できる

複雑な病歴申立書などをサポートしてもらえます。

障害年金の遡及請求に関するよくある質問

Q1. 障害認定日から10年以上経っています。もう無理ですか?

A. 請求できる可能性はあります。

ただし、遡って受け取れるのは原則最大5年分です。

Q2. カルテが残っていない場合はどうなりますか?

A. 非常に難しくなりますが、他資料で補強できるケースもあります。

まずは専門家へ相談しましょう。

Q3. 遡及請求が認められなかったらどうなりますか?

A. 現在の障害状態が重ければ、「事後重症請求」で認定される可能性があります。

Q4. 遡及分には税金がかかりますか?

A. 障害年金は非課税です。

遡及分の一括支給についても、所得税・住民税はかかりません。

Q5. 遡及請求と事後重症請求は同時にできますか?

A. はい、可能です。

実務上も、両方を視野に入れて請求するケースがあります。

まとめ|遡及請求は「本来受け取れるはずだった年金」を取り戻す制度です

障害年金の遡及請求は、過去に受け取れるはずだった年金を取り戻せる可能性のある重要な制度です。

一方で、

  • 認定日診断書
  • カルテ
  • 過去の障害状態証明

など、通常請求より難易度が高くなるケースも少なくありません。

「昔のことだから無理かもしれない」
「カルテが残っているかわからない」

という場合でも、まずは専門家へ相談することで道が開けることがあります。

【神戸・尼崎・西宮 障害年金申請サポート】では、遡及請求の可能性を丁寧に確認し、お一人おひとりの状況に合わせた申請サポートを行っております。

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