うつ病で障害年金2級・3級を受給する基準と金額は?社労士が解説

うつ病の症状により、仕事に行けなくなったり、家事などの日常生活が困難になったりして、これからの生活費に大きな不安を抱えている方は多くいらっしゃいます。

結論から申し上げますと、うつ病でも条件を満たせば障害年金を受給することが可能です。ただし、ご自身の症状がどの等級(2級または3級)に該当するのか、そして初診日にどの年金制度に加入していたかによって、受け取れる金額や基準が異なります。

この記事では、うつ病で障害年金2級および3級に認定されるための基準や、実際に受け取れる年金額について、障害年金専門の社会保険労務士がわかりやすく解説します。

うつ病で障害年金2級・3級に認定される基準とは

障害年金の等級は、病気の種類そのものではなく、その病気によって日常生活や就労にどの程度の支障が出ているかによって決定されます。

障害年金2級の認定基準(日常生活に著しい制限がある状態)

障害年金2級は、日常生活に著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度の状態が該当します。

うつ病の場合、気分の落ち込みや意欲の低下が激しく、自発的に行動することが難しい状態が一つの目安となります。例えば、家族などの援助がなければ、食事の準備や入浴、掃除などの身の回りのことができない、あるいは一人で外出して公共交通機関を利用することが困難であるといった状態です。

労働については、原則として就労不能な状態であることが求められますが、障害者雇用などで周囲から手厚い配慮を受けている場合は、就労していても2級が認められるケースがあります。

障害年金3級の認定基準(労働に著しい制限がある状態)

障害年金3級は、労働に著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の状態が該当します。 日常生活にはある程度対応できても、うつ病の症状により職場で大きな配慮が必要であったり、短時間労働や軽作業しかできなかったりする状態です。欠勤や遅刻、早退を繰り返してしまい、本来の業務を全うできない場合などが考えられます。 なお、障害年金3級は、初診日において会社員や公務員などとして厚生年金に加入していた方のみが対象となる点に注意が必要です 。初診日に国民年金に加入していた方(自営業、学生、主婦など)は、3級に該当する状態であっても障害年金を受給することはできません

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うつ病で受け取れる障害年金の金額(2026年度版最新)

受け取れる金額は、障害基礎年金と障害厚生年金のどちらに該当するかによって大きく異なります。初診日に加入していた年金制度によって、受け取れる年金の種類が変わります 。ここでは2026年4月1日時点の金額をもとに解説します。

障害基礎年金(2級のみ)の受給額

初診日において自営業・学生・無職・主婦(夫)などの国民年金加入中の方と20歳前であった方が対象となるのが障害基礎年金です 障害基礎年金は、年金の加入期間を問わず等級に応じて定額が支給されます 。2級の場合、基本の額は年間847,300円となります さらに、18歳到達年度の末日を経過していない子、または20歳未満で障害等級1級または2級の障害者がいる場合は、子の加算額が上乗せされます 。加算額は、1人目と2人目の子がそれぞれ年間243,800円、3人目以降の子が年間81,300円です

障害厚生年金(2級・3級)の受給額

初診日において会社員・会社役員・公務員などの厚生年金加入中であった方が対象となるのが障害厚生年金です 。障害厚生年金の額は、厚生年金加入期間の長さや、給与・賞与などの報酬の額によって個別に計算されます

うつ病で2級と認定された場合、障害基礎年金2級の額に加えて、報酬比例の障害厚生年金が支給されます 。また、64歳以下の配偶者がいる場合には、年間243,800円の配偶者加算が行われます

一方、3級と認定された場合には、障害基礎年金は支給されず、障害厚生年金のみが支給されます 。3級の基本の額は報酬比例の年金額となりますが、年金額が低くなり過ぎないように年間635,500円の最低保障額が設けられています 。なお、3級には配偶者の加算はありません

ちなみに、障害年金は非課税の扱いとなりますので、老齢年金のように所得税や住民税を源泉控除されることはありません

うつ病で障害年金2級・3級を受給する基準と金額に関するよくあるご質問

Q. 働きながらでもうつ病で障害年金は受給できますか?

A. 結論から申し上げますと、働きながらでも障害年金を受給できる可能性はあります。

ただし、どのような働き方をしているかが非常に重要になります。フルタイムで健常者と同等の業務をこなしている場合は、日常生活や労働に著しい制限がないと判断され、受給が難しくなる傾向があります。一方で、短時間勤務や障害者雇用枠での就労、職場から手厚い配慮を受けている場合などは、2級や3級に認定されるケースもあります。

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Q. 初診日がいつかわからない、あるいはカルテが破棄されている場合でも申請できますか?

A. 申請の難易度は上がりますが、諦める必要はありません。

障害年金の手続きにおいて初診日の証明は非常に重要ですが、医療機関のカルテが保存期間を過ぎて破棄されているケースは珍しくありません。このような場合は、当時の診察券や領収書、お薬手帳、健康診断の記録、第三者からの証言などを集めることで、初診日を客観的に証明できる場合があります。複雑な手続きとなるため、専門家へのご相談をおすすめします。

Q. 障害年金を受け取ると税金がかかったり、家族の扶養から外れたりしますか?

A. 障害年金は非課税であるため、受け取った年金額に対して所得税や住民税が課税されることはありません

また、障害年金の収入だけであれば確定申告も不要です。ただし、家族の健康保険の扶養に入れるかどうかについては、障害年金を含めた年間収入が180万円未満であることなどの一定の要件を満たす必要があります。

うつ病の障害年金申請でお悩みの方は専門家へご相談を

うつ病による障害年金の申請は、ご自身の症状を客観的かつ正確に医師に伝え、適切な診断書を作成してもらうことが非常に重要です。また、病気で心身ともにお辛い状態のなか、複雑な年金制度を理解し、過去の受診歴を遡って書類を揃える作業は、ご本人やご家族にとって大きな負担となります。

「自分は2級と3級のどちらに該当するのだろう」「何から手をつければいいのかわからない」と迷われている方は、無理をして一人で抱え込まず、障害年金専門の社会保険労務士にご相談ください。専門家の視点から、受給の可能性や適切な申請方法について的確にアドバイスいたします。初回のご相談や受給判定は無料で承っておりますので、少しでも不安を感じられましたら、お気軽にお問い合わせください。

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