ペースメーカーで障害年金はもらえる?等級・申請時期・注意点を社労士が解説

心臓の働きを助けるペースメーカー。

ペースメーカーを体内に植え込む手術を受けた方やそのご家族の中には、

  • 「ペースメーカーを入れたら障害年金はもらえる?」
  • 「障害年金の等級は何級になる?」
  • 「いつから申請できる?」
  • 「働いていても受給できる?」

このような疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、ペースメーカーを装着された方は、一定の条件を満たすことで障害年金を受給できる可能性があります。

特に、初診日に厚生年金へ加入していた方は、原則として障害厚生年金3級に該当する可能性があります。

この記事では、障害年金申請を専門とする社会保険労務士が、ペースメーカーを装着した場合の障害年金の受給条件、認定基準、申請の流れ、注意点について、わかりやすく解説します。

この記事でわかること

✅ ペースメーカーで障害年金を受給できる条件

✅ ペースメーカー装着時の障害年金の等級

✅ 障害厚生年金3級に該当するケース

✅ 障害基礎年金で受給できる可能性

✅ ペースメーカー装着後の申請タイミング

✅ 診断書・病歴申立書で重要なポイント

✅ 働いていても受給できるケース

✅ 社労士へ依頼するメリット

この記事はこんな方におすすめです

  • ペースメーカーを装着した方
  • ICDを植え込んだ方
  • 心疾患・不整脈で治療を続けている方
  • ペースメーカー装着後の障害年金申請を考えている方
  • 初診日が厚生年金加入中だった方
  • 働きながら障害年金を受給できるか知りたい方
  • ご家族の障害年金申請をサポートしたい方

ペースメーカーでも障害年金は受給できる?

結論から言うと、ペースメーカーを装着した方は、障害年金を受給できる可能性があります。

ペースメーカーは、徐脈性不整脈などによって心臓のリズムが乱れる場合に、適切な電気刺激を与えて心拍を補助する医療機器です。

障害年金では、ペースメーカー装着は「循環器疾患による障害」として扱われます。

特に、

  • ペースメーカー
  • 植込み型除細動器(ICD)

を装着した場合、原則として障害厚生年金3級に該当する可能性があります。

ただし、誰でも自動的に受給できるわけではありません。

障害年金を受給するには、

  • 初診日要件
  • 保険料納付要件
  • 障害状態要件

を満たす必要があります。

障害年金とは?ペースメーカーも対象になる公的制度

障害年金とは、病気やケガによって一定以上の障害状態になった場合に支給される公的年金制度です。

初診日に加入していた年金制度によって、主に以下の2種類があります。

障害基礎年金

初診日に国民年金へ加入していた方、または20歳前に初診日がある方が対象です。

対象者の例:

  • 自営業
  • フリーランス
  • 学生
  • 専業主婦(夫)
  • 無職の方

など。

障害等級は、

  • 1級
  • 2級

があります。

障害基礎年金には3級がないため、ペースメーカーを装着しただけでは対象にならないケースがあります。

障害厚生年金

初診日に厚生年金へ加入していた会社員・公務員などが対象です。

障害等級は、

  • 1級
  • 2級
  • 3級

があります。

ペースメーカー装着の場合、初診日が厚生年金加入中であれば、原則として障害厚生年金3級に該当する可能性があります。

ペースメーカーで障害年金を受給するための3つの条件

ペースメーカー装着で障害年金を受給するには、主に以下3つの条件を満たす必要があります。

1. 初診日要件|原因となった傷病で最初に受診した日

「初診日」とは、ペースメーカーを植え込む原因となった病気で、初めて医療機関を受診した日のことです。

例えば、

  • 徐脈性不整脈
  • 心房細動
  • 房室ブロック
  • 洞不全症候群
  • 心不全

などで最初に受診した日が、初診日となる可能性があります。

初診日で受給できる年金の種類が決まる

初診日に、

  • 国民年金加入中だったか
  • 厚生年金加入中だったか

によって、受給できる障害年金の種類が変わります。

ペースメーカーで障害厚生年金3級を受給できるかどうかは、初診日に厚生年金へ加入していたかが重要です。

2. 保険料納付要件|年金保険料を納めていること

障害年金を受給するためには、一定の保険料納付要件を満たす必要があります。

原則として、初診日の前々月までに、

  • 保険料納付済期間
  • 免除期間
  • 学生納付特例期間

などを含めて、加入期間の3分の2以上あることが必要です。

また特例として、

令和8年3月31日以前に初診日がある場合は、直近1年間に未納がなければ認められる場合があります。

20歳前に初診日がある場合は、本人の保険料納付要件は問われません。

3. 障害状態要件|認定基準に該当すること

ペースメーカー装着者は、障害年金の認定基準に基づいて等級が判断されます。

特に重要なのは、以下の考え方です。

障害厚生年金は原則3級

ペースメーカーまたはICDを装着した場合、初診日が厚生年金加入中であれば、原則として障害厚生年金3級に該当する可能性があります。

3級は、

労働が著しい制限を受ける、または労働に著しい制限を加えることを必要とする状態

を指します。

障害基礎年金は2級以上が必要

障害基礎年金には3級がありません。

そのため、初診日が国民年金加入中の場合、ペースメーカーを装着しただけでは原則として障害基礎年金の対象になりにくい傾向があります。

ただし、ペースメーカー装着後も、

  • 日常生活が著しく制限されている
  • 活動範囲が家屋内に限られている
  • 身の回りのことにも援助が必要

といった状態であれば、2級以上に該当する可能性があります。

1級・2級に該当するケースもある

ペースメーカー装着後も、

  • 心機能の低下が著しい
  • 重い不整脈が続いている
  • 息切れや動悸が強い
  • 日常生活や労働に大きな制限がある

といった場合は、3級より上位の等級に認定される可能性もあります。

ペースメーカーの障害年金で重要視されるポイント

ペースメーカーを装着した方の障害年金申請では、以下の点が重要になります。

障害認定日は「ペースメーカーの装着日」

通常、障害年金では初診日から1年6ヶ月を経過した日が障害認定日になります。

しかし、ペースメーカーやICDを装着した場合は、

ペースメーカーの装着日・植え込み日

が障害認定日となります。

そのため、通常のように初診日から1年6ヶ月を待つ必要はありません。

植え込み後、必要書類を準備して申請を進めることができます。

診断書の内容が重要

ペースメーカーの障害年金申請では、「循環器疾患の障害用」の診断書を使用します。

医師には、以下の内容を正確に記載してもらうことが重要です。

  • ペースメーカーの植え込み年月日
  • 装着した機器の種類
  • リードの本数
  • 原因となった傷病名
  • 発症から植え込みまでの経過
  • 現在の自覚症状
  • 心電図・心エコーなどの検査結果
  • 日常生活への影響
  • 就労状況

特に、装着後も息切れ・動悸・めまい・疲れやすさなどが残っている場合は、診断書へ反映してもらうことが大切です。

病歴・就労状況等申立書も重要

病歴・就労状況等申立書では、発症からペースメーカー装着に至るまでの経緯や、装着後の生活の変化を記載します。

具体的には、

  • いつ頃から症状が出たか
  • どのような治療を受けたか
  • ペースメーカー装着後に生活がどう変わったか
  • どのような活動制限があるか
  • 就労にどのような支障があるか

を整理して記載します。

診断書だけでは伝わりにくい日常生活や仕事への影響を補足する重要な書類です。

就労状況も審査で確認される

障害厚生年金3級では、就労状況も重要な判断材料になります。

ペースメーカーを装着して働いている場合でも、

  • 以前と同じ仕事ができなくなった
  • 業務内容が軽減された
  • 時短勤務になった
  • 通院や体調管理への配慮を受けている
  • 重労働や夜勤を避けている

といった事情がある場合は、具体的に伝えることが大切です。

「働いているから無理」と自己判断せず、実際の働き方や制限を整理することが重要です。

ペースメーカーで障害年金を申請する流れ

ペースメーカー装着の場合、障害認定日が植え込み日となるため、比較的早い段階で申請準備を進められます。

1. 年金事務所へ相談

まずは年金事務所や市区町村役場で、必要書類や手続きの流れを確認します。

2. 初診日の確認・証明

ペースメーカー植え込みの原因となった傷病の初診日を確認します。

初診の医療機関と診断書作成医療機関が異なる場合は、受診状況等証明書が必要になることがあります。

3. 診断書の作成依頼

ペースメーカーを植え込んだ医療機関、または現在の主治医へ診断書作成を依頼します。

4. 病歴・就労状況等申立書の作成

発症から現在までの経過、日常生活や仕事への影響を具体的に整理します。

5. 必要書類を提出

年金請求書、診断書、申立書、その他必要書類をそろえて提出します。

6. 審査・結果通知

提出後、日本年金機構で審査が行われます。

結果が出るまでには、一般的に3ヶ月〜半年程度かかります。

社労士にペースメーカーの障害年金申請を依頼するメリット

ペースメーカーの障害年金申請では、障害認定日の特例や診断書の記載内容など、専門的な判断が必要になることがあります。

認定基準に沿った申請ができる

ペースメーカー装着の場合、認定基準や初診日の考え方を正しく整理する必要があります。

社会保険労務士に依頼することで、制度に沿った申請準備がしやすくなります。

診断書依頼時のポイントを整理できる

診断書は障害年金審査において非常に重要です。

社労士へ相談することで、医師にどのような内容を伝えるべきか整理しやすくなります。

病歴・就労状況等申立書を適切に作成できる

ペースメーカー装着後の生活制限や就労制限は、人によって異なります。

社労士のサポートにより、審査側へ伝わりやすい形で申立書を作成しやすくなります。

手続きの負担を軽減できる

障害年金申請では、書類収集や年金事務所とのやり取りが必要です。

社会保険労務士に依頼することで、ご本人やご家族の精神的・時間的負担を軽減できます。

ペースメーカーの障害年金に関するよくある質問

Q1. ペースメーカーを入れたら必ず障害年金3級をもらえますか?

A. 初診日に厚生年金へ加入しており、保険料納付要件を満たしている場合は、原則として障害厚生年金3級に該当する可能性があります。

ただし、実際には初診日の確認や保険料納付要件、診断書の内容などを総合的に審査されます。

また、初診日が国民年金加入中の場合は、障害基礎年金には3級がないため、ペースメーカー装着だけでは受給が難しいケースがあります。

Q2. ペースメーカーを入れたのはかなり前ですが、今からでも申請できますか?

A. はい、今からでも申請できる可能性があります。

障害認定日から5年以上経過している場合でも、将来に向かって障害年金を請求できる可能性があります。

ただし、過去分をさかのぼって受け取れる期間には時効があり、原則として最大5年分までです。

「かなり前だから無理」と諦めず、まずは初診日や当時の記録を確認することが大切です。

Q3. 働いていても障害年金はもらえますか?

A. はい、働いていても障害年金を受給できる可能性があります。

特に障害厚生年金3級は、「労働に著しい制限がある状態」が対象です。

そのため、

  • 業務内容を軽くしてもらっている
  • 時短勤務をしている
  • 重労働を避けている
  • 通院や体調管理への配慮を受けている

といった事情がある場合は、申請時に具体的に伝えることが重要です。

Q4. 国民年金加入中でもペースメーカーで障害年金はもらえますか?

A. ペースメーカーを装着しただけでは、原則として障害基礎年金の対象になりにくい傾向があります。

障害基礎年金は1級・2級のみで、3級がないためです。

ただし、ペースメーカー装着後も日常生活が著しく制限されている場合は、2級以上に該当する可能性があります。

たとえば、活動範囲が家屋内に限られる、身の回りのことにも援助が必要といった状態であれば、障害基礎年金を受給できる可能性があります。

Q5. ペースメーカーの電池交換のたびに手続きが必要ですか?

A. 通常、ペースメーカーの電池交換や本体交換だけで、新たな障害年金手続きが必要になるわけではありません。

ただし、

  • 交換後に症状が悪化した
  • 長期入院が必要になった
  • 日常生活や就労制限が強くなった

という場合は、等級変更を求める「額改定請求」を検討できる可能性があります。

症状や生活状況に大きな変化があった場合は、専門家へ相談することをおすすめします。

まとめ|ペースメーカー装着後は障害年金を確認しましょう

ペースメーカーを装着された方は、障害年金を受給できる可能性があります。

特に、初診日が厚生年金加入中であれば、原則として障害厚生年金3級に該当する可能性があります。

一方で、

  • 初診日の確認
  • 保険料納付要件
  • 診断書の内容
  • 日常生活や就労への影響

など、申請時に確認すべきポイントも多くあります。

「自分の場合は対象になる?」
「今からでも申請できる?」
「働いていても大丈夫?」

このような疑問がある場合は、障害年金専門の社会保険労務士へご相談ください。

【神戸・尼崎・西宮 障害年金申請サポート】では、ペースメーカーを装着された方の状況を丁寧にヒアリングし、障害年金申請をサポートしております。

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