双極性障害で障害年金は受給できる?気分の波と申請ポイントを社労士が解説

「気分の浮き沈みが激しく、自分でもコントロールできない」
「躁状態の時は活動的なのに、うつ状態になると何もできなくなる」
「仕事や人間関係が安定せず、将来が不安…」

双極性障害(躁うつ病)は、このような“気分の波”を繰り返す精神疾患です。

躁状態とうつ状態の差が大きいため、

  • 仕事が長続きしない
  • 対人トラブルが増える
  • 浪費や衝動行動をしてしまう
  • うつ状態で外出できなくなる

など、日常生活や社会生活に大きな影響が出ることも少なくありません。

そのような状況で、生活を支える制度のひとつが「障害年金」です。

しかし、

  • 「躁状態の時は元気に見えるけど対象になる?」
  • 「症状に波があっても受給できる?」
  • 「うつ病から双極性障害に診断変更された場合は?」
  • 「働いていても申請できる?」

など、不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、障害年金申請を専門とする社会保険労務士が、双極性障害で障害年金を受給するための条件、審査で重要になるポイント、申請時の注意点について、わかりやすく解説します。

この記事でわかること

✅ 双極性障害で障害年金を受給できる条件

✅ 躁状態・うつ状態がどう審査されるか

✅ 「うつ病→双極性障害」に診断変更された場合の初診日の考え方

✅ 働いていても受給できるケース

✅ 気分の波を申請書類で伝えるポイント

✅ 診断書・病歴申立書で重要な点

✅ 社労士へ依頼するメリット

✅ 不支給になった場合の対応方法

この記事はこんな方におすすめです

  • 双極性障害で通院を続けている方
  • 気分の波によって仕事が続かない方
  • 休職・退職を繰り返している方
  • うつ病から診断変更された方
  • ご家族が障害年金申請を検討している方
  • 障害年金制度について詳しく知りたい方

双極性障害でも障害年金は受給できる?

結論から言うと、双極性障害は障害年金の対象となる精神疾患です。

障害年金では、「気分(感情)障害」として扱われています。

ただし、単に双極性障害と診断されているだけでは受給できません。

審査では、

  • 日常生活への支障
  • 就労困難の程度
  • 対人関係への影響
  • 気分の波による社会適応困難

などが総合的に判断されます。

特に双極性障害では、

  • 躁状態
  • うつ状態
  • 混合状態

による生活全体への影響が重要になります。

双極性障害とは?躁状態とうつ状態を繰り返す精神疾患

双極性障害は、気分が高揚する「躁状態」と、強く落ち込む「うつ状態」を繰り返す病気です。

躁状態の主な症状

躁状態では、

  • 異常に活動的になる
  • 睡眠時間が短くても平気
  • 多弁になる
  • 衝動的になる
  • 浪費が増える
  • 攻撃的になる

などの症状が現れることがあります。

一見すると「元気」に見える場合もありますが、

  • 対人トラブル
  • 無謀な行動
  • 借金
  • 退職
  • 人間関係破綻

など、生活へ深刻な影響が出るケースも少なくありません。

うつ状態の主な症状

うつ状態では、

  • 気分の落ち込み
  • 強い疲労感
  • 意欲低下
  • 集中力低下
  • 外出困難
  • 希死念慮

などが現れます。

日常生活が大きく制限されることもあります。

混合状態とは?

躁状態とうつ状態の症状が混在する状態です。

例えば、

  • 強い焦燥感
  • イライラ
  • 落ち込みながら活動的

など、本人にとって非常に苦しい状態になることがあります。

障害年金とは?双極性障害も対象になる公的制度

障害年金とは、病気やケガによって一定以上の障害状態になった場合に支給される公的年金制度です。

初診日に加入していた年金制度によって、主に以下の2種類があります。

障害基礎年金

初診日に国民年金へ加入していた方、または20歳前に初診日がある方が対象です。

対象者の例:

  • 学生
  • 自営業
  • フリーランス
  • 専業主婦(夫)
  • 無職の方

など。

障害等級は、

  • 1級
  • 2級

があります。

障害厚生年金

初診日に厚生年金へ加入していた会社員・公務員などが対象です。

障害等級は、

  • 1級
  • 2級
  • 3級

があります。

また、比較的軽い場合でも「障害手当金(一時金)」の対象になるケースがあります。

双極性障害で障害年金を受給するための3つの条件

双極性障害で障害年金を受給するには、主に以下3つの条件を満たす必要があります。

1. 初診日要件|最初に医療機関を受診した日

「初診日」とは、双極性障害の症状で初めて医療機関を受診した日のことです。

双極性障害では、

  • 最初はうつ病と診断されていた
  • 後から双極性障害へ診断変更された

というケースも少なくありません。

うつ病から診断変更された場合

一般的には、

最初にうつ症状で受診した日

が初診日として扱われます。

つまり、

「双極性障害と診断された日=初診日」

ではありません。

初診日の証明は非常に重要

障害年金申請では、初診日の証明が重要です。

主に、

  • 受診状況等証明書
  • カルテ
  • 診察券
  • お薬手帳

などで確認します。

2. 保険料納付要件|年金保険料を納めていること

20歳以降に初診日がある場合は、一定の保険料納付要件を満たす必要があります。

原則として、

  • 保険料納付済期間
  • 免除期間
  • 学生納付特例期間

などを含めて、加入期間の3分の2以上ある必要があります。

また特例として、

令和8年3月31日以前に初診日がある場合は、直近1年間に未納がなければ認められる場合があります。

3. 障害状態要件|障害等級に該当すること

障害認定日時点で、障害等級に該当している必要があります。

双極性障害では、

  • 症状の重さ
  • 気分の波
  • 日常生活への影響
  • 就労状況

などを総合的に判断します。

1級

日常生活全般で常時援助が必要な状態。

2級

日常生活や社会生活に著しい制限がある状態。

3級(障害厚生年金のみ)

労働に著しい制限がある状態。

双極性障害の障害年金で重要視されるポイント

気分の波を具体的に伝えること

双極性障害では、「症状に波がある」という特徴をどう伝えるかが非常に重要です。

例えば、

  • 躁状態で浪費してしまう
  • 衝動的に退職する
  • 人間関係トラブルを起こす
  • うつ状態で外出できない
  • 家事や身の回りのことができない

など、具体的なエピソードを記載することが大切です。

躁状態も「障害」として評価される

躁状態は「元気そう」に見えるため、誤解されやすい傾向があります。

しかし実際には、

  • 判断力低下
  • 衝動性
  • 社会的不適応

などによって、生活へ大きな支障が出ることがあります。

障害年金では、躁状態による問題行動も重要な審査対象になります。

働いていても受給できる可能性がある

「働いているから障害年金は無理」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。

例えば、

  • 障害者雇用
  • 短時間勤務
  • 頻繁な休職
  • 強い職場配慮
  • 転職を繰り返している

などの場合は、受給できる可能性があります。

重要なのは、「安定して就労できているか」です。

診断書が審査結果を左右する

障害年金では、「精神の障害用診断書」が最重要書類です。

医師には、

  • 躁状態の問題行動
  • うつ状態の生活困難
  • 対人関係の問題
  • 就労困難
  • 家族支援の状況

などを具体的に伝えることが重要です。

病歴・就労状況等申立書も非常に重要

病歴・就労状況等申立書では、

  • 発症時期
  • 気分の波
  • 通院歴
  • 就労状況
  • 生活上の困難

などを、時系列で整理します。

双極性障害では、「躁状態」「うつ状態」それぞれの具体的状況を書くことが重要です。

双極性障害で障害年金を申請する流れ

1. 年金事務所へ相談

必要書類を確認します。

2. 初診日の確認・証明

受診状況等証明書などを取得します。

3. 診断書の作成依頼

主治医へ依頼します。

4. 病歴・就労状況等申立書の作成

症状の波を具体的に整理して記載します。

5. 必要書類を提出

年金事務所へ提出します。

6. 審査・結果通知

一般的に3ヶ月〜半年程度かかります。

社労士に双極性障害の障害年金申請を依頼するメリット

双極性障害の障害年金申請では、

  • 気分の波を伝える難しさ
  • 初診日の整理
  • 就労状況の説明

など、専門的な対応が必要になるケースがあります。

社会保険労務士へ依頼することで、以下のメリットがあります。

気分の波を適切に伝える書類作成支援

躁状態・うつ状態それぞれの困難を、審査側へ適切に伝えやすくなります。

診断変更があるケースにも対応しやすい

「うつ病→双極性障害」など、初診日が複雑なケースも整理できます。

ご本人・ご家族の負担を軽減できる

書類収集や役所対応の負担を減らし、治療や生活へ集中しやすくなります。

双極性障害の障害年金に関するよくある質問

Q1. 躁状態の時は元気に見えますが、障害年金の対象になりますか?

A. はい、対象になる可能性があります。

躁状態では、一見すると活動的で元気に見えることがあります。

しかし実際には、

  • 浪費
  • 衝動行動
  • 対人トラブル
  • 無謀な行動

などによって、生活へ大きな支障が出るケースも少なくありません。

障害年金では、「気分の波全体」で生活への影響を評価します。

Q2. 最初はうつ病と言われていました。初診日はどうなりますか?

A. 一般的には、最初にうつ症状で受診した日が初診日になります。

双極性障害は、後から診断変更されるケースも多い病気です。

そのため、

「双極性障害と診断された日」

ではなく、

「最初に症状で受診した日」

が重要になります。

Q3. 転職を繰り返しています。審査で考慮されますか?

A. はい、重要な判断材料になります。

双極性障害では、

  • 気分の波
  • 対人関係トラブル
  • 衝動的退職

などによって、安定就労が難しいケースがあります。

転職の繰り返しも、就労困難を示す事情として評価される可能性があります。

Q4. 症状が良い時期もあります。申請できますか?

A. はい、可能です。

双極性障害は、症状に波があることが特徴です。

そのため、一時的に調子が良い期間があっても、

  • 再発を繰り返す
  • 社会生活が不安定
  • 継続就労が難しい

などの場合は、障害年金の対象になる可能性があります。

Q5. 浪費や借金も申請時に伝えるべきですか?

A. はい、重要な情報になる場合があります。

躁状態による、

  • 浪費
  • 借金
  • 衝動行動

などは、判断力低下や病状の影響を示す重要な事情になることがあります。

申立書では、具体的状況を整理して記載することが大切です。

まとめ|双極性障害の気分の波を一人で抱え込まないでください

双極性障害の気分の波は、ご本人の努力だけではコントロールが難しいことも多く、生活や仕事へ大きな影響を与えることがあります。

障害年金は、そのような方の生活や治療を支える大切な制度です。

「自分は対象になる?」
「働いているけど申請できる?」
「気分の波をどう説明すればいいかわからない」

このようなお悩みがある場合は、まずは障害年金専門の社会保険労務士へご相談ください。

【神戸・尼崎・西宮 障害年金申請サポート】では、双極性障害特有の症状や生活上の困難を丁寧にヒアリングし、お一人おひとりに寄り添った障害年金申請をサポートしております。

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